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議事録の書き方: 読み返される記録の条件

議事録は会話の書き起こしではなく、決定を残す文書です。読み返される議事録の構成と習慣を、悪い例と良い例の対比つきでまとめました。

議事録が捨てられる理由

多くの議事録は会話を時系列で書き起こして終わります。その記録は出席者には当たり前で、欠席者には読むのが大変です。結局、誰も開き直しません。

議事録の読者は二人です。会議にいなかった同僚と、1か月後の自分。どちらも知りたいのは何が話されたかではなく、何が決まったかです。

決定・理由・タスクの3つで十分

  • 決定: 決まったことを1行ずつ。先送りした項目は、先送りした事実を書きます。
  • 理由: なぜそう決めたかを1、2行。同じ議論の繰り返しを防ぐ欄です。
  • タスク: 担当者と期限が付いた項目だけ。どちらかが欠けたら、それはタスクではなく願望です。
書き起こしただけの議事録
10:05 リリース頻度の話が出る週1回は多すぎるという意見ありテスト自動化の話も出る続きは次回に
決定が残る議事録
決定: リリースを隔週火曜に変更理由: 直近2か月のホットフィックス5件中4件が金曜リリース直後に発生タスク: リリースチェックリスト草案(田中, 6月20日まで)先送り: テスト自動化は来期予算の確定後に再検討

スライドを禁止した会社が文書で得たもの

会議の記録を極端まで突き詰めた例がアマゾンです。ジェフ・ベゾスは2004年に役員会議でのパワーポイントを禁止し、2017年の株主への手紙でその代わりを説明しました。スライドではなく6ページの文章形式のメモを書き、会議は全員がそれを黙読することから始まる、というものです。

要点は6ページという分量ではなく方向です。話し言葉はあいまいなままでも通ってしまいますが、文章はすき間を隠せません。議事録も同じ原理で働きます。決定を文章にした瞬間、実は決まっていないことが見え、書いていて詰まる箇所がそのまま次の会議の議題になります。

会議中はキーワードだけ、整理は10分以内に

会議中に文章を完成させようとすると会話を逃します。キーワードと数字だけメモして、記憶が新しい会議直後の10分で3つの欄に移しましょう。1日経つだけでキーワードが何の文脈だったかの復元から始めることになり、同じ整理が何倍にも膨らみます。

会議の種類ごとに残すものは違う

3つの欄は基本形です。会議の性格によって、力を入れる欄が変わります。

会議の種類記録の中心よくある失敗
意思決定の会議決定と理由、反対意見まで結論だけ書いて理由を落とす
定例の進捗会議前回タスクの進捗と新しいタスク毎週同じ議題を一から書き直す
アイデア出しの会議出た案の全部と次の検証方法決定がなかったからと何も残さない
1on1合意したことと互いへの依頼雑談に流れて記録自体を省く

骨組みを描き直さない

毎回まっさらな文書に決定・理由・タスクの欄を作り直すのもコストです。骨組みをテンプレートにして会議ごとに埋めるだけにすれば、書く時間より先に、残る記録の質が変わります。

よくある質問

録音とAI要約があるのに、議事録を自分で書く必要はありますか?

録音は何が話されたかを残し、議事録は何が決まったかを残します。要約ツールが決定やタスクの候補を挙げてくれることもありますが、どの行が本当の決定でどの行がただの雑談だったかに責任を持ってはくれません。ツールの要約を下書きに使うのは良いですが、決定・理由・タスクの3欄を確定するのは会議にいた人の仕事です。

議事録は誰が書くのがよいですか?

進行役以外の人がよいです。進行と記録を兼ねると両方が中途半端になります。チームなら持ち回りをおすすめします。記録を経験した人が増えるほど、会議での話し方まで整理されるという副次効果もあります。

どこまで詳しく書くべきですか?

会議にいなかった人が追加の質問なしに動ける程度が基準です。議論の過程は1、2行に縮めて構いませんが、決定の文とその理由、担当者と期限は削ってはいけません。分量としては通常、1画面を超えません。

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